Yusuke Isao | 悳 祐介 個展
【 F A L L 】
期間 2024/4/27 (土) → 5/12 (日)
時間 11:00 – 19:00 / Last day 17:00 (初日は17:30開場)
休廊 毎週火曜(4/30, 5/7)
Opening reception party 2024/4/27(土)18:00~20:00(初日は17:30開場)
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作品をつくる上であくまで自分は目しか使っていない感覚で写真が無い時代の手描きの記録のようなものです。伝承のように、人々の手に渡る過程で時間を経て形や意味が変わったり神格化されたりすることが面白く、自分の作品もそうなってもらいたいと思っています。(悳 祐介)
骨董品や異形の珍品など、説明のつかない異質なものをお店や、市場、道すがら見つけたことはありますか?何故興味を持ってしまったのだろうと、それを手にとってあらゆる角度から覗き込んでも理解ができない、何年前のものなのか、人が作ったものなのか、何かの欠片なのかさえ。惹かれる理由は様々でですが、それらが放つ違和感、想像させる余白があるということなのでしょう。悳は映像制作の仕事の傍、真逆のアナログに立ち帰りモノクロームの点描画を始め現在のスタイルを確立しました。遺跡や偶像、レリーフなどをモチーフにもしますが、世界中の遺物や自然物、瓦礫など実際に有る、または存在したものから普遍的だと感じるラインや形をバラバラに抽出して組み合わせて新たな形を作ります。悳の点描画を見ていると、自然物の持つ根源的な美しさを感じると共に、先史時代から未来まで続く謎めいたスケール感が伝わってくるようです。映画「2001: A Space Odyssey」で我々(ホモサピエンス・人間)が各セクションにモノリスを発見した時のような。勿論本人はそのようなストーリーを加えている訳ではありませんが、先述した’想像させる余白’の一致を感じます。また点描という最もプリミティブな手段で像を浮かび上がらせる行為は、見る者に心地良いリズムと振動を与えてくれます。静かに手を合わせ、崇拝したくなるような。悳の作品は時代や文化の変化に影響されずに普遍的な魅力があります。本展では自身初となるカラー作品を披露します。大小様々な抽象画、具象画、立体作品、5mに及ぶ大作も並びます。
また同展ではコラボレイティブ・ワークとして、高橋彩子(Acchi Cocchi Bacchi)による手製本を30部限定で販売致します。過去に彼らの展示を見たり、企画を重ねることで見つけた共通性、昨年高橋に相談を持ち掛けたところ快く引き受けてくれました。悳に関しては高橋のバッチづくりワークショップに参加するほどだったので、互いに感じていた着想のマッチ度を探りに来ていたのでしょう。高橋は悳の作品を見た時、一部の作品に自身がつくるバッチと同じフォルムだと言っていました。世界中あっちこっちを巡って、拾ったり買い付けてきた古布や端材などをバラして新たなカタチに再生するプロセスは、悳の制作過程と酷似し、尚お互いの興味の源も文明や時代性など一致しているように思えます。今回、悳の作品を自由に遊べる権利を得て、高橋が思う存分に解体し、再生します。題して「ASOBU ISAO BOOK」。
紙の塊として悳さんの造形を楽しめるような物質自体を楽しめるものにしたい、カタチを遊ぶ工作をしたいと考えました。(高橋彩子)
リアルのっぽさんを目指す高橋の真髄を知れる企画となります。合わせてお楽しみください!
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●Profile
悳 祐介/Yusuke Isao
1983年生まれ。学生時代はフィルムで自主映画を制作。
その後フリーランスで映像の仕事に携わる。
アナログに立ち返りモノクロームの点描画を始め、現在のスタイルとなる。
【個展】
2018「Jikatsu |自活」(手と花/神田)
2019「Utsutsu|現」(タンバリンギャラリー/神宮前)
2020「Yakou|夜行」(金柑画廊/目黒)
2021「Hakkou|白虹」(nijinone/東唐津)
2021「DOTS」(LAID BUG/初台)
2022「MEDIUM」(手と花/神田)
2023「DUO」(MAT/表参道)
2023「LIMINAL」(水犀/蔵前)
●Other Item
「ASOBU ISAO BOOK」LTD#30
by Saeko Takahashi | 高橋彩子(Acchi Cocchi Bacchi)
・Profile
1977年 横浜市生まれ
2003年 メキシコに渡り、人形劇団を主宰するメキシコ人女性に師事。
2010年 世界の民族衣装や装飾品、端材を素材にアッチコッチバッチをつくりはじめる。
2016年 生業をバッチに移す。
2020年 制作10年でDIGINNER GALLERY(東京)と協働で作品集「BACCHI WORKS」発行。
2022年 金沢市民芸術村にてアーティスト・イン・レジデンス。個展、ワークショップ等多数。
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