TOMOKO KITAMURA 写真集出版記念展
【 P R A S A D 】
期間 2024/5/18 (土) → 6/2 (日)
時間 11:00 – 19:00 / Last day 17:00 (初日は17:30開場)
休廊 毎週月曜
・Opening reception party 2024/5/18(土)18:00~20:00(初日は17:30開場)
・TOMOKO KITAMURA トークショー 2024/5/25(土)17:00~18:00
定員:15名*要予約(後日改めてInstagramで告知します。)
–
DIGINNER GALLERYは、北村朋子 初となる写真集の出版を記念して写真展を開催します。北村朋子 a.k.a Samosa wala Timoke は、現在サモサ業に勤しむ毎日ですが、この度、20年間通い続けたインドの記録写真を纏めた写真集をローンチする運びとなりました。初日18日(土)18時〜オープニングレセプション&サイン会を行います。是非みなさまお誘い合わせの上ご来廊ください。
–
いつだったか、ティモケ(Samosa wala Timoke)の干し海老のウールガイ(南インドの酸っぱい漬物)をつくる教室をギャラリーで開いたことがあって、ギャラリーの空間がその匂いで充満し、1週間くらい臭いが取れなかったことがあった。展示の入れ替え時期に行ったので、幸いにも次の展示を妨害することはなかったのだけど、もう二度とやらない、否、やってはいけないと思った。
ティモケ(Samosa wala Timoke)とは本書の写真家北村さんの別名で、普段はとても美味しいオリジナルのサモサやインド料理をケータリングしている。私は、写真家の北村さんではなく、サモサのティモケとしてキッチンに立つ彼女に出会ったのが最初で、それはそれは美味しい、上品で繊細なサモサを食べたことで彼女に興味を持ち始めたのだった。私はそこそこ旅が好きで、そこそこ海外旅行にも行ってきた方ですが、未だインドへは行ったことがない。20代の頃は深夜特急の影響で周りの友達もバッパー旅をする人が増え、大概「人生観変わるよ!」「インドは呼ばれて行くんだよ!」あとは宗教、社会制度、文化、衛生面などなど、未踏の地インドの情報が周りから摺り込まれていたせいか、勝手にステレオタイプなインド像を抱いていた。ティモケのサモサを食べた時、インドに対する印象が一掃されて、エネルギッシュで混沌としているイメージが、急に風抜けのよい、心地いいインドの有様が浮かんできた。
本書に掲載された写真を一枚一枚ゆっくりと見てほしい。北村さんが切りとるインドで流れる時間、空気、光、たとえ街の喧騒であっても、どことなく音や騒がしい声が聞こえてはくるけども、なんだかBGMのように背中で静かに流れているような、匂いや人々の熱量も、穏やかな風がフワッと運んでくるような印象をもらえるのは私だけであろうか?
これまで印度(インド)は、とにかく忙しくて、人臭とスパイス臭が入り交じり、土埃舞う中を足早に進み、お腹が減ったらカレー食べて、食中りで苦しんでと、コントラストの差が激しい旅を想像していた。しかし、そのようなシーンは一切なく、こんな時間をインドで過ごせるならと、益々インドへ行きたくなった。
本書で語る「PRASAD」良いことも悪いことも神様からのおさがりだと考える彼女の写真から、その瞬間主が通り過ぎたような景色を見せてくれる。幼い頃、朝日の洩れる光に神様が降りてくると祖父が教えてくれた。やわらかい光の中をゆらゆら戯れる埃がとても綺麗で、未だ光にその存在を信じている。
いつか訪れる時にはたくさんの荷物の中に、この”PRASAD”も詰め込む。お守りのような1冊になるでしょう。
-DIGINNER GALLERY 鈴木宏信-
●写真集「PRASAD」
発行:2024年5月18日
DIGINNER GALLERY 〒152-0035 東京都目黒区自由が丘1-11-2
問合せ先:鈴木 contact@diginner.com
著者:北村朋子
企画:北村朋子、鈴木宏信、鈴木由美
装幀:高谷 廉
写真製版:西谷内和枝
製作管理:澤崎達雄
印刷製本:株式会社 山田写真製版所
価格:5,500円(税込)
●Profile/プロフィール
北村朋子
a.k.a Samosa wala Timoke
1981年千葉県生まれ
写真専門学校で学び都内写真スタジオ勤務後、旅の写真を撮りに放浪
インドに魅せられ通う中、インドの食文化に興味を持ち料理の世界へ
写真家を目指していたつもりが気づけばサモサ屋となる
俗にいう“インドに行って人生変わりました”を身をもって実践
以後サモサ屋を生業としながらライフワークとして年に一度インドを訪れ、写真を撮ることを人生の楽しみとして生きている
コメントを残す