
DIGINNER GALLERYでは、スウェーデン出身のアーティスト、レベッカ・トーレンスによる個展「夜の花に露|Dew upon the Night Flower」を開催いたします。
レベッカにとってドローイングは、世界を知覚し、思考し、存在を確かめるための方法です。木炭の線は単なる描写ではなく、音や記憶、夢の断片をすくい取りながら、現実と無意識のあわいに立ち上がる空間を形づくります。そこでは、物質と気配、意識と無意識が静かに交差しています。近年の制作では、木炭を出発点としながら、焼かれた木や有機素材、そして土や植物など自然由来の顔料を取り入れ、素材の持つ歴史や身体性に向き合っています。こうした素材は単なる画材ではなく、記憶や時間の層を宿す存在として作品に関わり、制作の過程そのものが静かな儀式のように展開されていきます。
本展では、線と黒の深淵のなかから浮かび上がるかたちが、夢や記憶の断片のように現れます。素材、身体、そして時間が交差するその空間は、観る者に静かでありながら強い余韻を残すでしょう。夜の花に宿る露のように、静かに立ち上がるその気配を、会場で感じていただければ幸いです。
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Rebecka Tollens
「夜の花に露|Dew upon the Night Flower」
会期:4 月4 日( 土)~26 日( 日)
時間:11:00-19:00/ 最終日17:00
休廊日:4/7( 火), 13( 月), 20( 月)
>>プレスリリース

◆Statement/ステートメント
私にとってドローイングは、世界を理解するための方法です。
音を聴けば線に置き換え、その線から新しい世界が立ち上がります。
描くことは、私の人生を導いてきた存在であり、長い年月をかけて育んできた対話でもあります。木炭の線は、私自身の言葉であり、私だけのアルファベットです。
近年、制作はより立体的で複雑な表現へと広がっています。
出発点は今も木炭ですが、木や有機的な素材も重要な存在になっています。とりわけ焼かれた木は、はかなさと永続性をあわせ持つ素材として、古くから人とともにありました。私は木炭の導きに身を委ねながら、現実と夢、物質と気配が溶け合う空間をつくり出します。
作品は、意識と無意識のあいだにある境界をかたちにする試みです。
夢の断片や日常の記憶が交差し、説明できない感覚がふと理解できる瞬間をすくい取ります。素材、技法、歴史がゆっくりと呼応し合うプロセスを大切にしています。土や植物など自然由来の顔料、そして中世の画法書に由来する伝統的なワニスを用いることで、時間の層や存在の気配を作品に宿らせようとしています。素材そのものが意味を持ち、制作の協働者となるのです。
線、木炭、そして身体。
描く行為は、思考であり、空間であり、世界の中で“在る”ことそのものです。木炭の黒に身をゆだねながら、自身の感情の揺らぎを画面に刻み続けています。

Biography
Rebecka Tollens|レベッカ・トーレンス
レベッカ・トーレンス(1990年生まれ)は、ストックホルムを拠点に活動するスウェーデン=フランス人アーティスト。主にドローイングを制作し、木炭を主要なメディウムとする。2015年にパリのエコール・ド・コンデにて修士号を、2013年にLISAA(パリ)にて学士号を取得。
これまでヨーロッパおよび日本各地で広く作品を発表。主な個展にキルナ・コンストホール(スウェーデン、2025年)、ギャルリー・アーツ・ファクトリー(パリ、2022–24年)などがある。グループ展では、東京オペラシティ アートギャラリー(2024年)、熊本市現代美術館(2024年)、リリエヴァルクス春のサロン(2023年)など主要な美術館・会場に参加。2026年秋にはスウェーデン王立美術アカデミー(ストックホルム)での展覧会を予定している。DIGINNER GALLERY(東京、2026年)での展示は、日本での初個展となる。
ドローイングを通して、意識と無意識のあいだにある境界を探求している。木炭を出発点としながら、近年は木や有機素材の役割も増している。素材性、歴史性、象徴性の相互作用を探りながら、線・素材・身体が交差する場を創出し、夢や記憶、知覚の断片を可視化する。
これまでに、スウェーデン王立美術アカデミーとスウェーデン王室により授与される名誉あるドローイング賞「Den tänkande handen(思考する手)」を受賞。また、スウェーデン芸術助成委員会(Konstnärsnämnden)より制作助成を受けている。作品はスウェーデン公共芸術庁(Statens Konstråd)のパブリックコレクションにも収蔵されている。

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